一昔前のギア 14 初期のGPSと新型


 今でこそスマートフオンにGPS機能が入り、様々なアプリの存在が役に立つ時代になったがハンディGPSが世に出たときは驚いた。
地図を内蔵していないため、使い方が難しく、軌跡の後戻りしか出来なかったが、それでもガスでルートを見失ったり、雪上では頼もしい。
今は地図を内蔵できるカラー画面の新型に代えたが進化はたいしたものだ。
スマートフオンのGPS機能で充分と言う声も聞くが、ハンディGPSは完全防水で有り、動作時間も単三二本で連続25時間と長いのでスマホに替えることは出来ない。
もっとも、機械であるがゆえに完全に正確であるかと問われれば、否となる。
森や林で見通せない、沢など上空が狭くなっている場合衛星をロストしてしまう。
首をひねるような軌跡がしばしばログで残るが、それは無視。
やはり、基本は地図とコンパスであるのは時代を超えて正しい。
しかしガスでルートを見失ったり、雪上では役に立つのは間違いない。
それに、家に帰ってからのルート軌跡ログ(すなわち時間経過)を確認するのも大きな楽しみであるし、次のプランの参考にも結構役に立つ。

一昔前のギア 13 ピーク1ストーブ


 ホエーブスがガソリンコンロで有名なのに対して、コールマンはマイナーな存在だったが、ホエーブスは消えてゆき、コールマンはいまだに品番こそ変わっているが売られていることに驚く。
時代は変わり、すっかりガスストーブにとって変わられたと思い込んでいたが、山以外で活躍しているらしい。

雨や、気温の低下、風にも強い、火力が大きい特徴を持つが弱点も多い。
ガソリンコンロの場合、ポンピングを行い、圧を加え、ガソリンが、バーナーのヘッダーで温められ気化されるまでヘッダーをメタで予熱しなければならない。
一度温まるとあとは、火力が落ちてきそうになるので再びポンピングをする。

長期の登山の場合は、重宝できるが、日頃の手入れが必要になり、危険を伴う恐れもある。
予熱が不十分だと燃料が十分に気化していないため、液体の燃料が噴射して炎が上がり危険である。テント内での使用も一酸化炭素中毒、炎上の危険性があるため非常に危険である。
実際にテントの中でストーブが火達磨になり、外に放り投げた経験があり、最早山では使うことがなくなった。
しかし、道具としては良く出来ているので、見ていて飽きることがない。

一昔前のギア 12 ボルト、ジャンピング


 前進用に打ちまっくってボルトラダーを構築する時代から時間がたち、ナチュラルプロテクション主流の現代において、ボルトは本当の意味で最後の手段である。
人跡未踏の壁でなければ使用はご法度、極悪非道の行為となるのは寂しい。

写真にあるのはあごが付いたRCCボルト、この他にリングボルトがあるが強度が弱く、大きな墜落ではリングが切れる可能性が大きく、あまり好まれていない。
RCCボルトの強度はリングボルトの3倍近くあると言われ、あごをきちんと壁に利かせた場合、ほぼ信頼に応えてくれるだろう。
もちろん、エキスパンデイングボルトであるから、あけた穴の深さと楔を目測で計算し、正しくハンマーで打ち込まなければならない。
最後に使用したのはいつか記憶にない。

一昔前のギア 11 KADOTAピッケル


 札幌門田廃業6年後の1992年(平成4年)門田 正氏が他界し、手打ち鍛造は終了。
山内ピッケルとならんで日本を代表するピッケルであり、山屋の魂を象徴していた。
シャフトは写真のようなアルミではなく、木製が主流、重かった。
ダブルアックスが出現した頃、すれ違うように消えていったのは時代の流れで仕方がないだろう。写真のは65cmを50cmに切り詰め、いまだに何の不便もなく使える。
しかし、時代は魂を必要とせず、機能優先となり、人に選るが信じられないようなクライミングを可能とした。

一昔前のギア 10 新旧のツエルト


 アルパインクライミングにおいて、重たいテントではとても無理なので夏はツエルト、冬は雪洞にツエルトとなる。
ゴアテックスツエルトであっても、ストーブを焚くと結露を避けることが出来ず、しずくが垂れまくり濡れてしまう。
であれば、軽いただのナイロンツエルトでもいいかとなる。
左が古い650g,右があたらしい280gと新旧で相当の開きがあるのは、やはりハイテクの時代だろうか。
ただ、きわめて薄いので、強風下では破られないように気をつけなければならない。