ペッカー 大   フックピトン


ビッグウォールギヤとして売られているペッカーだが、凍った極細クラック御用達。上ホロなどではクラックに土が詰まっていることが多く、凍り付いていてナイフブレードなどまったく受け付けないことも多々あるが、こいつは入ってくれるのだ。ここぞという時の安心。さすがに消耗は激しく、何度も使うと刃先が曲がったり欠けたりする。ラッキングにワイヤーを使うとウェアに引っかかったりするので、上の穴にスリングをつけてラッキングしている。サイズは大がよろしい。

ルベルソキューブ 確保器あれこれ

ロープ径が細くなるにつれて確保器もどんどんと変化してきた。家にあるものだけで6つ。最初に使い始めたブラックダイヤモンドATC(左上)はこれが3代目。実に使いやすかったがワイヤーがよく切れた。制動を増すために溝型になったATC-XP。さまざまなロープ径に対応するために確保面が回せるシモンのキュービック(下中)。セカンドの確保がロックできるということで画期的だったぺツルのルベルソ初期型(上右)。制動力を増すために段がつけられたルベルソ改良型(上中)。そして更に改良され溝型になったルベルソキューブ(下右)。試して買うということはなかなかできないので、買ってみるといまいちだったりすることもある。ルベルソキューブと写真には無いATCガイド(使ったことが無い)は構造がほぼ同じ。上のカラビナをかける穴の方向が違い、下の穴はルベルソキューブはカラビナが入る(ロック解除が楽か?)。重さはルベルソキューブが軽い。今のところこれで落ち着きそう。

スパイダルコ  ナイフ


山にビクトリノックスのナイフを持ってきている人をよく見かけるが、刃を出すにはツメで引っ掛けて出さなければならない。夏ならそれでもいい。料理にもいい。がアルパインクライミングではやはり手袋をした状態で刃が出せないといけない。スパイダルコのナイフはブレードに穴が開いており、手袋をしていても楽に刃が出せる。切れ味も抜群。波歯タイプならスリングもロープも切りやすい(料理はしにくい)。収納は柄の背中?側を押すと刃のロックを解除できる。写真はレディバグ?というモデルだったか。収納すると5cmほど。首から下げるならスリングではなく、伸びのいいゴムを使おう。引っ張れば自由自在。

ジェットボイル


 アルパインクライマー御用達クッカ-がやっと出た。ジェットボイル。コッフェルとガスヘッドが合体し、片手で保持でき、熱効率よく、コッフェル部分に巻かれたネオプレーンが、結露した水が落ちるのも防ぎ火が消えない。

 まあこれも完璧ではなく、縦長コッフェルなのでバランスが悪く、料理には向かず、大きい鍋も出たがこれは合体しない。同じ容量でもう少し横広なら雪も入れやすいし、調理もしやすくなるだろう。水を入れすぎると沸騰した時に蓋の飲み口(蓋に飲み口の穴が開いているのだ)から熱湯があふれかなり危険。

 熱効率の良さでいえば以前マルキル社のストーミーというのがあり、ハンギングストーブという点では使いやすかったが大きくて重かった。ジェットボイルもハンギングできたらベストだと思い改造したが、使う前にまったく別の発想で純正ハンギングキットが発売。よく考えてるなあ。しかし4800円とは高すぎる。

 まあ今のところ狙いの時はこれかな。

アイコン ヘッドランプ


LEDヘッドランプが出始めてモデルチェンジを繰り返し、ハイブリットなんかもあったが、LEDのみのヘッドランプが主流になってきた。そしてついに3ワット。この強力な照射は今までで届かなかった距離を照らし(ハロゲンなら届くのかな)、夜間登攀では足元も明るく、ルートも明瞭、消費電力も少なく、予備電池が減り、ローソクも持って行かなくなった。その3ワットモデルメジャーどころがブラックダイヤモンドのアイコンとぺツルのミオXP。アイコンはスイッチボタンが大きく、手袋をしていても押しやすい。それに比べミオXPはスイッチボタンが小さいし、集光、拡散がレンズを動かすという手袋をした上での操作性をあまり考えていないようだ。という訳でアイコンを買ったが、なかなか完璧な製品はありません。電池ボックスのネジの調子が悪い。すぐ斜めに噛んでしまうのである。無理に回せばねじ切ってしまいそう。こんなこと壁の途中でやってたら気が狂いそう。まあボタン押す回数と電池交換する回数だったら、ボタン押すほうが多いから仕方がないか。電池は家で慎重に交換しましょう。

スパンティーク スポルティバ  問題発生

かなりの保温性、そして登りやすさ、歩きやすさを兼ね備えたダブルブーツ、スポルティバのスパンティーク。さすがに高所靴ほどの保温性はないが、国内冬季登攀から海外6000m峰の北壁の登攀までまったく問題なしというすばらしいブーツ。以前凍傷をやった私の足では、このブーツ無しではもはや冬壁は登れない。靴ヒモの締め方も実に斬新。アウターにも保温材が入ってる。しかしまったく問題ないかといえばそんなことはなく、柔らかすぎてスキーでアプローチするようなところは下りでかなり苦労する。それはスキー下手な私だけか。値段は高いが今の円高を利用すればけっこう安くなるはずだ。


















大問題が発生。プラスチックのコバが剥がれたのだ。スポルティバジャパンに修理を依頼。なんと5000円も請求され、しかもその後使用一回目で再び剥離。もう一度修理を依頼。今回はさすがにただだったが、とてもプロとは思えない汚い修理でがっかり。




トライカム


昨シーズン売り切れで入手できないほどだったのがこのトライカム。何が良いのかというと凍ったクラックで滑らない。凍ったクラックでキャメなどのカムが滑って出てきてきまらないという経験はけっこうあるが、この過去のギヤと思われていたトライカムは片側のとがった部分が食い込んでしっかりきまってくれるのだ。実際上ホロで使ってみたがすばらしい。片手でセットしにくいという点では少々慣れが必要だが、今シーズン一押し。

ワートホッグ


イボイボの愛称で日本の冬壁に欠かせないワートホッグ。草付に叩き込んで使う。うまくきまれば回収が困難なほどだが、これで落ちたことはない。回収は半時計回しで出てくるが、決まりすぎて折れることもしばしばで研いでまた使う。クロモリ製だが国産は柔らかい気がする。国産はモチヅキが製造販売していたが、ずいぶん前に製造中止。イギリスのマウンテンテクノロジーのみが製造。通販で買えるようだ。