固定分散用スリング


 ビレーアンカーは固定分散か流動分散か?いまだに良い解決方法が見つけられない。近頃はこのイェーツ(日本での取り扱いは無し)の固定分散用スリングを使っての固定分散が多いが、落下率2を想定した方向に固定すると、違う方向に引かれた時に1つの支点にしか荷重がかからない。トップが落ちた時自己脱出すると、アンカーの1つの支点のみに荷重がかかった状態でのレスキューとなる。そういった点では流動分散はフレキシブルに対応するが、万が一1つの支点が抜けるとスリングがスライドして、もう一つの支点に衝撃がかかる。これは実に怖い。近頃固定分散に慣れてしまったせいか、たまに流動分散にするとどうも気持ち悪くて落ち着かないというのが正直なところだ。なにか両方に対応できるいい方法は無いものだろうか。ちなみにイェーツのスリングは日本に無いが、メトリウスが固定分散用スリングを出している。他にも長いループスリングを使えば3つのアンカーでの固定分散も可能だ。固定分散はスリングをまとめて結ぶので、ある程度幅のあるスリングが解きやすい。細いスリングはカラビナをかます等しないと解けなくなるので注意が必要だ。

アイスプロテクションの変遷


 近年のアイススクリューの入りの良さはすばらしいものである。下の段の3本はBDのアイススクリューだが左の初期型はノブも無いが、それでもスナーグからこちらに変えて格段に入りが良いと思った。更に中のノブが付きモデルは回しやすくなり、右の最新モデルはそれ以上にすばらしく入りが良い。こうなると古いモデルは使いたくなくなるのが心情で、しかしニューモデルで全て揃えるのは金銭的に大変。核心部で古いスクリューが出てこないようにラッキングを考えて、なんとか使いこなしているのが多くのユーザーだろう。1本の値段が高すぎる。カム等は10数年使っても全く問題ないが、スクリューは刃先や内側が傷つくと直ぐに入りが悪くなってしまう。メーカーは値段を下げるか、メンテナンスをしてくれるようにするかしてくれないものだろうか。
 上の段の右はスナーグ。私は少し使った程度だが、打ち込み、回して回収。氷は割れるし、回しても回してもなかなか出てこない。中、左は大先輩に頂いたもので使ったことは無いが、入りは非常に悪く、アックスを引っ掛けて回していたそうだ。ロシア製のチタンスクリューなんかも有った。
 道具は良くなる一方だが、銀河の滝の初登はどんなスタイルで登られたのだろう?おそらく長いピッケル1本でステップとホールドをカッティング。プロテクションはイボイボをハンマーで叩き込み、ひょっとするとアイゼンもフロントポイントの無いものだったりしたのではないだろうか?

イボイボ再び


イボイボが再び作られるようになった。実に喜ばしいことである。KONGからの発売。今後の生産予定が気になるところだが、持ってない人は購入しましょう。修岳荘白石店にて買えます。凍った草付きには絶大な支持力を得、上ホロでは必携。ちなみに一番左が今回発売されたKONG製、中はモチヅキ製で長い方、右はペルーで買った中古のカシン製。