アイスワールド   技術本  ジェフ・ロウ

私のバイブルというべき本がこのアイスワールド(山と渓谷社)だ。岩と雪が休刊する少し前、ジェフ・ロウによって登られたオクトパシー M8 が紹介された。当時の道具、技術からすれば衝撃的な写真に目が奪われたが、数年後そのジェフ・ロウによってアイスワールドが発刊された。ジェフ・ロウといえば単にアイスを登るということではなく、すばらしいアルパインクライマーで、エベレスト街道にそびえるすばらしいピークの壁をいくつも登っており、本の中でもカンテガ、クワンデが取り上げられている。今流行のミックスクライミングはいつの間にかボルトが打たれスポーツ化し、スポーツクライマーが台頭しているが、山のミックスクライミングは少数ではあるがやはりナチュラルプロテクションで登られ、本州ではそういうトレーニングを積んだクライマーがすばらしい記録を残している。北海道ではまだまだ少ないが、可能性は十分ある。この本は今も色あせてはいないのだ。